ニセ科学批判の構造試論

問題は「科学に疎い人たちにとって科学とはどのように受け入れられているか」です。

科学者による科学論や、科学哲学は「科学者にとって科学がどのように受け入れられているか」に主な焦点が当たっています。

では科学に疎い人たちにとって科学とはどのようなものなのでしょうか。おそらく重要なのは次の二点です。

  • ブラックボックス性:仕組みがよくわからない
  • 権威性:にも関わらずなんかうまくいくし、それは科学者が実験したり理論的に考察したりしているおかげらしい。

ニセ科学批判が最終的に目指していることをニセ科学という言葉を使わずに表現するのなら「公益を損なう非科学的言説に関する啓発活動」となります。 それぞれの性質に対応して以下のような啓発活動が考えられます。

  • ブラックボックス性:市民講演やサイエンスカフェといった誰も何も言わないようなポジティブな要素しかない活動
  • 権威性:科学的知識をホワイトボックスにするには限界がある(本当にきっちりやるのなら学部を卒業できる程度の時間をかけてもらわなくてはならない)ので「科学者の実験に関する知見あるいは理論的知見から考えて間違いである」という情報を発信していく

と言うものです。前者はストレート・アヘッドな活動なので物議を醸すことは多分あまりありません。しかし後者の筆頭候補であるというニセ科学という言葉を用いた印象操作は悪いものを悪いと思ってもらうための行為なのです。最悪訴訟に発展します。その場合悪いといわれたほうは良い気分にはならないでしょう。したがって倫理的にどうなのかということを一切考えずに後者の活動を行うことは出来ないと思います。